FC2ブログ

上品な口あたりと繊細な模様のグラス

ガラス職人

ガラス工房 生 主宰


青木 耕生   Kousei Aoki

ひびの入ったグラス。
雪の結晶を連想させる文様が特徴のガラス製品を作り続ける青木さん。福岡市郊外の油山のふもとに工房を構え、区切りの10年目を迎える。明治ロマン派を代表する洋画家の青木繁を大叔父に持つ。187cmの大柄な体型に髭をたくわえ、長い髪を束ねた姿はいかにも芸術家の風貌だが、話すととても繊細な印象だ。

子供の頃からガラス好きで、宝石やジュエリーデザインに興味があった。九州産業大学芸術学部に進学。在学中、福岡市東区(当時)にあったマルティグラスでインターンシップを経験したのが縁で、卒業後に入社。ところが1年後に同社が解散したため、山口県萩市の萩ガラスに再就職。ここで雪花ガラスにつながる“ひびガラス”に出合うことになる。

青木01

青木02

青木03

青木04

青木05

「理想の窯ができたのは最近ですね」と話す青木さん。“窯”にも様々な種類があり、作りたいものによって、燃料も温度も大きさもそれぞれ。電気窯はコストは安いが火力が弱く、青木さんのひびガラスには向かない。油燃料の窯だと煤が出て、やはり向かない。工房で使用するのはガス窯で、大小2つのガス窯を作品によって使い分ける。理想の窯にたどり着くまで、実に8年を要した。

ひびガラスはタブーから生まれた。1400度に達した溶解炉からどろどろの硬質ガラスを棒で巻き取る。軟質のガラス粉をまぶして空気を吹き込む。再び硬質ガラスをかぶせ三層構造にする。ポンテ竿に移し形をこなす。形を変える、青木さんが最も好きな工程だ。一晩かけてゆっくり冷やす。性質の異なるガラスは冷めて固まる温度も違うため、2種類以上のガラスを合わせるのはタブーとされている。これを逆手に取ったのが青木さんが作り続ける雪花グラスという訳だ。軟質ガラス層に「キンッ」という乾いた音と共に亀裂が生じる。表面の硬質ガラス層は無傷だ。4段階の研磨を経て、ようやく完成する。雪花の模様は3年ほどかけて増え続ける。使い続けて愛着と共に模様も増え続ける。

ロックグラス、ビアタンブラー、マグカップ、キャンドルポット、ぐいのみ、ソーサーなど、雪花ガラスの商品は50アイテムある。色はクリアを含め6種。ひとつ新作が出るとひとつ生産を控え、常に50アイテムを維持する。「ロックグラスならこの規格でというように、きっちり計って同じものを作っています」と話すように、同じサイズで生産するためには、50アイテムが限度のようだ。今あるものを突き詰めたい、決まったものを研ぎ澄ましていきたい、と熱く語ってくれた。

青木さんのフィールドは広がっている。JR九州が運行する寝台列車クルーズトレイン「ななつ星in九州」のラウンジカーでは、青木さんが作ったオリジナルグラスが使用されている。持ち心地のよさ、上品な口あたりが評判だ。好きなお酒を美味しく飲みたい。お酒好きの青木さんのこだわりが、今後もフィールドを広げていくことだろう。

< 雪花ガラス工房 生 >
福岡市早良区大字油山180-1
TEL 092-861-8886
■営業時間/10:00~17:00
■定休日/水曜日
■体験教室あり(要予約)

公式HP
http://hibi.shop-pro.jp/

青木06

青木07
青木08

青木09

青木10

青木11

青木12

青木13
スポンサーサイト

Comment

Comment Form
公開設定

Trackback


→ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。