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アーティスト浜崎あゆみを博多人形で作った

西山 陽一 (Youichi Nishiyama)

博多人形師


西山陽一01

1979年9月6日生まれ
九州産業大学芸術学部卒

 2015年3月3日、博多人形と博多織合わせて8名の伝統工芸士が誕生した。博多人形は、実に12年ぶりの登録となった。西山陽一さんも伝統工芸士に登録された一人だ。



 幼い頃から物づくりが好きで、既に小学生の時には職人になろうと決めていたという西山さん。高校は美術工芸コースに、大学も九州産業大学の芸術学部に進学。芸術学部では一年生の時に油絵やデザイン、陶芸など、ひと通りの芸術を学ぶという。「彫刻の先生から習った時に自分はこれだ!と直感で感じた」という西山さん。どの職人の道に進むか迷っていたが、彫刻との出合いで道が開けた。博多人形の制作体験講座を受講し、博多の伝統工芸の奥深い技の世界に魅了された。博多人形師・國崎信正氏の門を叩く。弟子は取ってないと断られたが、それでも諦めず半年間通った末、2003年に24才で師事入門。入門した年に若手博多人形師の登竜門「与一賞特選」、2006年には「与一賞」(受賞作・船弁慶)、2010年には「福岡県商工会議所連合会長賞」(受賞作・羽衣)を受賞するなど、人形師としてのキャリアを着実に積んでいる。



 造型力、再現力に長け、繊細な色彩には目を見張る。西山さんの作品のひとつでもある「羽衣」は能の演目で、博多人形師がよく題材にする。羽衣を返してもらい天に帰るために天女が舞いを披露する姿を見事に再現。着物の絹で細やかな動きを表現する。頭部の飾り部分もひとつひとつ、専用の工具を用いて細工し作り上げたものだ。



 伝統的な博多人形を巧みに表現する一方、九州で活躍するイラストレーターやグラフィックアーティスト、画家など異なるジャンルの作家たちが参加した「四人の舞妓展」に博多人形師として唯一参加。また、エイベックス所属の人気アーティスト浜崎あゆみさんのキャラクターayupan人形を博多人形で制作。300体限定シリアルナンバー入り、一体18,900円で販売。わずか10分で完売し話題となった。西山さん本人も「今まで博多人形を知らなかった世代に知られるきっかけになったのでは?」と語る。


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 リアルさを追求した作品も手掛ける。工房に展示された蝉の博多人形は、捕まえてきたアブラゼミをじっくり観察して作った。「羽が欠けていますが、これは破損じゃないんです。蝉の羽って、良く見ると欠けていることが多いんです」と話す西山さん。線の細い足は色を塗ったピアノ線を用い、昆虫独特の艶のある目を表現するため、色々試した末に光沢の出る墨を採用した。本物に近づける工夫が多いことがよく分かる。



 創作活動は博多人形だけに留まらない。知人の結婚披露宴ではウェルカムボードを制作。粘土で作って型を取り、その型にFRPを流し込む手法で作り列席者から評判を得た。博多どんたくでパレードに使われる「傘鉾」も制作。これからの夢を尋ねてみた。「師匠が一年かけて制作した福岡国際会議場に展示された羽衣のような、大きな作品を作ってみたいですね」実行力のある人形師、西山陽一さんなら叶えてしまいそうな気がしてくる。

西山陽一07JPG
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